完全燃焼の計算
完全燃焼の計算は、燃焼反応式を正しく合わせ、係数比をmol比として使うことが出発点です。同じ温度・圧力にある気体同士なら、mol比をそのまま体積比として扱えます。
基本事項
- (1) 炭素と水素を含む物質が十分な酸素で完全燃焼すると、炭素は二酸化炭素、水素は水になる。不完全燃焼では一酸化炭素やすすを生じることがある。OpenStax「炭化水素の完全燃焼生成物」
- (2) メタノールの完全燃焼反応式は 2CH₃OH + 3O₂ → 2CO₂ + 4H₂O であり、メタノール1molの完全燃焼には酸素1.5molが必要である。消防試験研究センター「甲種公開問題」
- (3) メタンの完全燃焼反応式は CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O であり、メタン1molの完全燃焼には酸素2molが必要である。OpenStax「燃焼反応の化学量論」
- (4) プロパンの完全燃焼反応式は C₃H₈ + 5O₂ → 3CO₂ + 4H₂O であり、プロパン1molの完全燃焼には酸素5molが必要である。消防試験研究センター「乙種公開問題」
- (5) 同じ温度・圧力にある気体では、気体の体積比は物質量比に等しい。例えば気体のプロパン1Lには、同条件の酸素5Lが必要である。OpenStax「気体の化学量論」
- (6) 問題文で「0℃、1気圧で気体1mol=22.4L」と与えられた場合、気体体積は物質量に22.4L/molを掛けて求める。温度・圧力が異なる場合は、その条件に対応する気体体積を用いる。OpenStax「理想気体のモル体積」
- (7) 必要空気量は「必要酸素量÷空気中の酸素の体積割合」で求める。問題文で空気中の酸素を20vol%とする場合、必要空気量は必要酸素量の5倍である。消防試験研究センター「甲種公開問題」
解き方
- 燃料の完全燃焼反応式を合わせる。
- 与えられた質量や体積をmolへ換算する。
- 反応式の係数比から必要酸素量をmolで求める。
- 指定された温度・圧力の条件で気体体積へ換算する。
- 空気量を求める場合は、酸素量を空気中の酸素割合で割る。
ひっかけ
- 反応式を合わせる前に体積計算を始めない。
- 酸素量と空気量を混同しない。
- 22.4L/molを温度・圧力の指定なしに常温の値として使わない。
- 燃焼で生じる水を気体体積へ含めるかは、問題が指定する温度・状態を確認する。
出典・参考
- 一般財団法人消防試験研究センター 甲種危険物取扱者試験・公開問題(メタノール3molの完全燃焼に必要な酸素体積の出題例)
- BIPM SI base unit: mole(物質量のSI定義)