原子の構造
原子核と電子から成る原子の内部構造、イオンのでき方、電子殻への電子配置を扱う分野です。危険物取扱者試験では、原子番号と陽子数・電子数の関係、陽イオン・陰イオンの生じ方、原子番号20までの元素の殻ごとの電子配置が問われます。
原子・分子・イオン
- (1) 原子は正の電荷をもつ陽子と電荷をもたない中性子からなる原子核、および負の電荷をもつ電子から構成される。(東邦大学「原子と元素」)
- (2) 原子番号は原子核中の陽子数であり、中性原子では陽子数と電子数が等しい。(東邦大学「原子と元素」・川原学園大学「環境科学」シラバス)
- (3) 分子は複数の原子が結合した粒子であり、O₂のような単体分子とH₂Oのような化合物分子がある。(東邦大学理学部「化学科専門科目」PDF・分子の量子化学)
- (4) 原子または原子団が電子を失うと、正の電荷をもつ陽イオンになる。(京都大学広報誌「イオンとは」)
- (5) 原子または原子団が電子を受け取ると、負の電荷をもつ陰イオンになる。(京都大学広報誌「イオンとは」)
- (6) イオンの電荷は陽子数と電子数の差で決まり、Na⁺は陽子11個・電子10個、Cl⁻は陽子17個・電子18個である。(NIST「Atomic Data for Sodium」・NIST「Atomic Data for Chlorine」)
電子配置
- (7) 基礎問題では、原子番号20までの基底状態を殻別に表すとき、内側からK殻2個、L殻8個、M殻は最大8個まで入るものとして配置を考える。なお、M殻自体の収容上限は18個である。(山口県立大学「生化学テキスト」PDF・原子の構造と電子殻)
- (8) ナトリウムNaの原子番号は11で、中性原子の電子配置は殻表示で2,8,1、軌道表示で1s²2s²2p⁶3s¹である。(NIST「Atomic Data for Sodium」)
- (9) ナトリウム原子が最外殻電子1個を失ってNa⁺になると、電子配置は2,8となる。(NIST「Atomic Data for Sodium」Na II)
- (10) 塩素Clの原子番号は17で、中性原子の電子配置は殻表示で2,8,7、軌道表示で1s²2s²2p⁶3s²3p⁵である。(NIST「Atomic Data for Chlorine」)
- (11) 塩素原子が電子1個を受け取ってCl⁻になると、電子配置は2,8,8となる。(岡山理科大学「2026年度一般入試・物理化学」PDF・化学 問1)
ひっかけ
- 陽イオンは陽子を得るのではなく電子を失って生じ、陰イオンは電子を受け取って生じる。
- 原子番号は陽子数で決まる。電子数が変わってイオンになっても原子番号は変わらない。
- 内側のL殻を8個まで満たしてから次の殻へ配置する。Naの2,8,1と、Na⁺の2,8を取り違えない。
出典・参考
- NIST Atomic Data for Sodium(原子番号と基底状態電子配置)
- NIST Atomic Data by Atomic Number(元素の原子番号)
- 東邦大学 原子と元素(原子の構成粒子と原子番号)