化学平衡

最終更新日: 2026-07-26

化学平衡

可逆反応で、正反応の速さと逆反応の速さが等しくなり、見かけ上、反応が止まったように見える状態を化学平衡(平衡状態)といいます。

平衡状態とは

  • (1) 化学平衡とは、可逆反応において正反応の速さと逆反応の速さが等しくなり、各物質の濃度が時間とともに変化しなくなった状態をいう。OpenStax「Chemical Equilibria」
  • (2) 平衡状態でも正反応と逆反応はどちらも進行し続けている。反応が完全に停止しているわけではないため、動的平衡と呼ばれる。OpenStax「Chemical Equilibria」
  • (3) 平衡状態では各物質の濃度が一定になるが、反応物と生成物の量が等しいという意味ではないOpenStax「Chemical Equilibria」

平衡定数

可逆反応 aA + bB ⇄ cC + dD について、平衡状態での濃度を用いて

K = [C]ᶜ[D]ᵈ / [A]ᵃ[B]ᵇ

で表される K を平衡定数といいます。

触媒の働き

  • (7) 触媒は活性化エネルギーを下げて反応速度を大きくするが、正反応と逆反応をともに同じ割合で速くするため、平衡の位置(平衡定数)は変えない。平衡に達するまでの時間を短くするだけである。OpenStax「Chemical Equilibria」

平衡の移動

危険物との関係

  • (9) 危険物の燃焼は事実上不可逆だが、危険物の製造工程では可逆反応を扱うことが多い。平衡をどちらへ寄せるかで温度・圧力を制御するため、加圧設備には圧力計と安全装置が要求される。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第9条第1項第16号」
  • (10) 密閉容器内で液体と蒸気が共存する状態も、蒸発と凝縮の速さが等しい平衡である。このときの蒸気の圧力が飽和蒸気圧で、温度が上がるほど大きくなる。OpenStax「Phase Transitions」

試験での頻出ポイント

  • 平衡は動的平衡。「反応が完全に止まった状態」とする選択肢は誤りです。
  • 平衡状態でも「反応物と生成物の量が等しい」わけではありません。
  • 触媒は平衡を移動させません。反応速度(平衡に達する時間)だけを変えます。
  • 平衡定数は温度で変わり、濃度・圧力・触媒では変わりません。
  • 密閉容器内の飽和蒸気圧も気液平衡の例です。

出典・参考

化学平衡に関する問題