過酸化水素(H₂O₂)とは
過酸化水素は消防法上の第6類(酸化性液体)に含まれる無色の液体です。それ自体は通常燃えませんが、強い酸化性をもち、分解で酸素を生じるため周囲の可燃物の燃焼を助長します。
(1) 第6類酸化性液体の指定数量は300kgです。e-Gov「危険物の規制に関する政令」別表第三
性状・分解
- (2) 過酸化水素は無色透明の液体です。厚生労働省「職場のあんぜんサイト」過酸化水素SDS
- (3) 過酸化水素製品は濃度によって危険性が異なるため、使用する製品の濃度とSDSを確認します。厚生労働省「職場のあんぜんサイト」過酸化水素SDS
- (4) 過酸化水素は加温や光の影響などで分解し、酸素を生じます。厚生労働省「職場のあんぜんサイト」過酸化水素SDS
- (5) 過酸化水素の代表的な分解反応は 2H₂O₂ → 2H₂O + O₂ です。厚生労働省「職場のあんぜんサイト」過酸化水素SDS
- (6) 過酸化水素は強い酸化性があり、可燃物や多くの有機物との接触で火災・爆発の危険を高めます。厚生労働省「職場のあんぜんサイト」過酸化水素SDS
- (7) 熱、光、異物や金属成分などは、過酸化水素の分解を促進する要因になり得ます。厚生労働省「職場のあんぜんサイト」過酸化水素SDS
安定剤と混触危険
- (8) リン酸は過酸化水素水の安定剤として添加される例があります。東京都立大学機関リポジトリ「リン酸の安定剤としての役割と吸着メカニズムについて」
- (9) 鉄は、過酸化水素との混合で爆発危険を判断する対象として消防試験研究センターの乙6公開問題に示されています。消防試験研究センター「乙種第1・2・3・5・6類 公開問題」問35
- (10) クロムは、過酸化水素との混合で爆発危険を判断する対象として消防試験研究センターの乙6公開問題に示されています。消防試験研究センター「乙種第1・2・3・5・6類 公開問題」問35
- (11) エタノールは、過酸化水素との混合で爆発危険を判断する対象として消防試験研究センターの乙6公開問題に示されています。消防試験研究センター「乙種第1・2・3・5・6類 公開問題」問35
- (12) 二酸化マンガンは、過酸化水素との混合で爆発危険を判断する対象として消防試験研究センターの乙6公開問題に示されています。消防試験研究センター「乙種第1・2・3・5・6類 公開問題」問35
- (13) 高濃度の過酸化水素は皮膚・眼に対して強い腐食性を示します。厚生労働省「職場のあんぜんサイト」過酸化水素SDS
容器と貯蔵
- (14) 過酸化水素は分解で酸素を生じるため、容器内圧が上昇するおそれがあります。厚生労働省「過酸化水素SDS」
- (15) ガス発生で圧力上昇のおそれがある運搬容器では、ガス抜き口を設ける基準があり、過酸化水素では完全密閉による圧力上昇を避ける考え方が重要です。厚生労働省「毒物及び劇物の運搬容器に関する基準について」 厚生労働省「過酸化水素SDS」
- 直射日光や高温を避けます。
- 異物を混入させず、可燃物や分解を促進する物質から隔離します。
- 容器・配管の材質は製品SDSや設備基準に従って選びます。
消火・漏えい
- (16) 厚生労働省SDSでは、過酸化水素の火災に小火災では水、大火災では大量の水を用いることが示されています。厚生労働省「過酸化水素SDS」第5項
- (17) 火災区域にある過酸化水素の容器は、散水して冷却します。厚生労働省「過酸化水素SDS」第5項
- (18) 漏えい時は可燃物を隔離し、少量なら大量の水で洗い流すなど、製品SDSに従って処置します。厚生労働省「過酸化水素SDS」第6項
試験での押さえ方
- 分解 → 水と酸素。
- それ自体は不燃性だが、酸素を生じて燃焼を助長する。
- リン酸は安定化側として整理する。
- 鉄・クロム・二酸化マンガンなどの金属・金属化合物や有機物との混触を避ける。
- 完全密閉による圧力上昇を避ける。
- 火災時は水による冷却・希釈が基本となる。
出典・参考(2026-09-03確認)
- 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」過酸化水素 GHSモデルSDS
- 厚生労働省 毒物及び劇物の運搬容器に関する基準について
- 一般財団法人消防試験研究センター 乙種第1・2・3・5・6類 危険物取扱者試験 公開問題
- 東京都立大学機関リポジトリ リン酸の安定剤としての役割と吸着メカニズムについて