第6類(酸化性液体)とは
消防法別表第一における第6類です。液体であって、強い酸化力により可燃物の燃焼を促進する危険物です。第6類自体は燃焼しませんが、他の物を激しく燃えやすくする性質があります。
この類の特徴
- (1) 第6類の酸化性液体はそれ自体は燃焼しません。総務省消防庁「『危険物』とは?」
- (2) 第6類の酸化性液体は、酸化性によって他の可燃物の燃焼を促進します。総務省消防庁「『危険物』とは?」
- (3) 代表物質の過酸化水素と硝酸はいずれも比重が1より大きく、水より重い液体です(厚生労働省モデルSDS:過酸化水素、硝酸)。
- (4) 法定品名は、過塩素酸、過酸化水素、硝酸、その他政令で定めるもの、これらのいずれかを含有するものです。消防法別表第一・第六類
- (5) 政令で定める第6類の物品には、液体のハロゲン間化合物があります。危険物の規制に関する政令第1条
- (6) 第6類は可燃物との接触・混合を避けます。危険物の規制に関する政令第25条 消防試験研究センター「乙6公開問題」問29
公開問題で問われる共通の貯蔵・取扱い
- (7) 第6類の貯蔵・取扱いでは、皮膚への接触を避け、適切な保護具で皮膚を保護します。消防試験研究センター「乙6公開問題」問27
- (8) 第6類の取扱いでは、蒸気やミストへのばく露を避けるため換気に配慮します。消防試験研究センター「乙6公開問題」問27
- (9) 第6類は酸化されやすい物品など、反応しやすい物品との混在を避けます。消防試験研究センター「乙6公開問題」問27
- (10) 第6類は高温や直射日光を避け、冷暗所で貯蔵します。消防試験研究センター「乙6公開問題」問27
- (11) 「すべての第6類を通気孔付き容器で貯蔵する」は共通則ではありません。消防試験研究センター「乙6公開問題」問27
- (12) 第6類の容器材質を一律に決めることはできず、内容物ごとの腐食性・反応性に適合する材質を選びます。公開問題でも、硝酸を銅製の密栓容器で貯蔵する扱いは不適切とされています。消防試験研究センター「乙6公開問題」問28 厚生労働省「硝酸」SDS
火災予防・消火
- (13) 第6類は分解を促進する物品との接近を避けます。危険物の規制に関する政令第25条
- (14) 第6類は過熱や直射日光を避けます。危険物の規制に関する政令第25条 消防試験研究センター「乙6公開問題」問29
- (15) 「第6類は自己燃焼性があり、衝撃や摩擦で爆発しやすい」という説明は第6類の共通性状ではありません。消防試験研究センター「乙6公開問題」問29
- (16) 第6類の火災では、一般に水系消火剤を用います。消防試験研究センター「乙6公開問題」問29
- (17) 水と危険に反応する第6類の物質では、水系消火剤の使用を避けます。消防試験研究センター「乙6公開問題」問29
- (18) 過酸化水素や硝酸などには腐食性があり、皮膚や粘膜を侵すため、取扱い時は保護具を着用します(厚生労働省モデルSDS:過酸化水素、硝酸)。
- (19) 酸化性液体一般では、二酸化炭素消火剤やハロゲン化物消火剤は適切な消火剤として扱いません。総務省消防庁「化学物質による爆発・火災等のリスクアセスメント入門ガイドブック」酸化性液体の消火方法
- (20) 酸化性液体一般では、炭酸水素塩類を含む粉末消火剤は適切な消火剤として扱いません。総務省消防庁「化学物質による爆発・火災等のリスクアセスメント入門ガイドブック」酸化性液体の消火方法
代表物質との接続
- (21) 過酸化水素は 2H₂O₂ → 2H₂O + O₂ のように分解して酸素を発生します。厚生労働省・過酸化水素モデルSDS「安定性及び反応性」
- (22) 銅と硝酸の代表的な反応では、希硝酸から一酸化窒素(NO)、濃硝酸から二酸化窒素(NO₂)が生じます。厚生労働省・硝酸モデルSDS「安定性及び反応性」
覚え方・ひっかけ
第6類は「液体+それ自体は燃えない=安全」という誤解がひっかけになります。実際には可燃物の燃焼を促進するため、可燃物との混在を避けることが重要です。また「酸化性」という言葉と「強酸」は別の概念なので、酸性の強弱だけで第6類を判断しません。第1類(酸化性固体)との違いも整理しておきます。
「通気孔付き容器」は過酸化水素のように分解ガスによる圧力上昇を考える物質では重要ですが、第6類すべての共通事項として丸暗記しません。
出典・参考
- 総務省消防庁 「危険物」とは?
- 総務省消防庁 化学物質による爆発・火災等のリスクアセスメント入門ガイドブック
- e-Gov法令検索 消防法
- 一般財団法人消防試験研究センター 乙種第1・2・3・5・6類 危険物取扱者試験 公開問題