マグネシウム(Mg)とは
消防法上の法定品名「マグネシウム」に該当する形状・寸法のものは第2類(可燃性固体)として扱われ、乙種第2類で頻出される重要な物質です。銀白色の金属で、粉末・削りくずなどでは燃焼性が高く、高温で激しく燃焼することが特徴です。
(1) 消防法上の法定品名「マグネシウム」の指定数量は、性状試験による区分が第一種可燃性固体なら100kg、第二種可燃性固体なら500kgです。マグネシウムだから一律500kgと決まるわけではありません。例えば99%以上のgrit製品には第二種可燃性固体と表示された例があります(総務省消防庁「消防法別表第一」、Sigma-Aldrich マグネシウム製品情報)。
性状のポイント
- (2) 銀白色の軽い金属で、比重は約1.74である。
- (3) 微粉は燃焼性が高く、粉じん爆発の危険性が大きい。
- (4) 点火すると白色の強い光を放って激しく燃え、きわめて高温になる。
- (5) 熱水と反応して水素を発生するため、火災時の注水は適さない。
- (6) 二酸化炭素を還元して燃焼を続けるため、二酸化炭素消火剤は使用できない。
身近な製品・市販形態
- アウトドア用品店のファイヤースターター(メタルマッチ)が代表例。マグネシウム合金の棒を金属片で削り、火花で着火する道具として棒状・カード状で売られる。
- 花火の閃光剤・線香花火の白い強い光、カメラのフラッシュ(かつての閃光電球)に使われた。強く明るい白色光が特徴。
- 軽量合金として、ノートPCの筐体、カメラボディ、自動車・自転車のホイールなどの部材にも使われる(製品の形では塊状のため、粉末・削り粉のような着火危険は小さい)。
- スーパーで売る「にがり」の主成分は塩化マグネシウムで、金属マグネシウムとは別物。
- 消火に水を使えない(水と反応して水素を発生し、燃焼中はさらに激しくなる)ことが、ファイヤースターターが濡れても使える理屈と表裏の関係にある。
覚え方・ひっかけ
マグネシウムもアルミニウムと同様に「水で消火してはいけない」という禁止事項が重要です。むしろアルミニウムより燃焼温度が高く、より激しい反応が起きるため、より強く水消火禁止を意識する必要があります。第2類の中でも特に「高温で燃焼する金属粉」として記憶することが大切です。二酸化炭素を還元して燃え続けるため二酸化炭素消火剤も不適で、消火には乾燥砂や金属火災用の粉末消火剤を用います。試験では「マグネシウム火災の消火方法」「マグネシウム粉と水の危険性」といった設問が定番です。
出典・参考
- 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」マグネシウム粉 GHSモデルSDS(CAS 7439-95-4)(2006年版)
- 総務省消防庁 消防法別表第一(第2類マグネシウムの法定品名・性状判定)
- Sigma-Aldrich マグネシウム grit ≥99%(第二種可燃性固体の製品例)