重クロム酸塩類とは
重クロム酸イオン(Cr₂O₇²⁻)を含む塩の総称で、第1類(酸化性固体)の品名区分の一つです。重クロム酸カリウム(K₂Cr₂O₇)、重クロム酸アンモニウム((NH₄)₂Cr₂O₇)が試験対策上の代表物質です。橙色(オレンジ色)系の鮮やかな外観が特徴で、酸化剤としての性質に加え、六価クロムを含むため毒性がある点もこのグループのポイントです。
共通する性状・危険性
- (1) 代表物質の重クロム酸ナトリウムは薄茶色〜赤橙色の固体で、水に非常によく溶けます。
- (2) 単体では不燃性ですが、加熱により分解して酸素を放出し、可燃物の燃焼を助けます(代表物質・重クロム酸ナトリウム)。
- (3) 可燃物・有機物・還元剤と混合したものは、加熱・衝撃で発火・爆発の危険があります。
- (4) 六価クロム化合物であり、代表物質の重クロム酸ナトリウムは皮膚腐食性・刺激性、発がん性などに分類されています。
- (5) 重クロム酸アンモニウムは加熱で分解する。この自己分解で窒素ガスを発生し、緑色の酸化クロム(III)を残します。
貯蔵・取扱いと消火方法
- 可燃物・有機物・還元剤から隔離し、加熱・衝撃を避けて冷暗所に密栓保管します。
- 毒性があるため、粉じんの飛散防止と皮膚・呼吸器の保護にも配慮します。
- (6) 消火は大量注水が原則です。水と激しく反応する物質ではありません。
代表物質の比較
| 物質 | 化学式 | 外観 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 重クロム酸カリウム | K₂Cr₂O₇ | 橙赤色の結晶 | 潮解性なし。分析用の酸化剤として代表的 |
| 重クロム酸アンモニウム | (NH₄)₂Cr₂O₇ | 橙色の結晶 | 加熱で自己分解し窒素を発生、緑色の酸化クロム(III)が残る |
いずれも毒性(六価クロム)があり、消火は大量注水が原則です。
試験での問われ方
- 「橙色(オレンジ色)の結晶」という色の特徴が識別問題で問われます。過マンガン酸カリウム(黒紫色)との色の対比も定番です。
- 「重クロム酸カリウム」と「三酸化クロム(CrO₃、同じく第1類)」の区別が問われます。どちらもクロムの酸化物系ですが、化学式・品名が異なります。
- 重クロム酸アンモニウムの「加熱で自己分解して窒素を発生する」性質は、固有の特徴として出題されることがあります。
- 酸化力に加えて「毒性がある」ことを問う選択肢が出ることがあります。消火は大量注水で、注水厳禁の無機過酸化物と区別します。
出典・参考
- 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」重クロム酸ナトリウム SDS(代表物質、CAS 10588-01-9)
- 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」重クロム酸アンモニウム SDS(代表物質、CAS 7789-09-5、2015年改訂)
- 総務省消防庁 危険物の判定に関する資料(消防法上の危険物区分の根拠)
※本解説はAIが上記の政府公表資料等を参考に作成した暫定版です。数値は代表値であり、正確性は要確認です。