ハロゲン間化合物(例:BrF₃、BrF₅、IF₅など)とは
異なるハロゲン元素同士が化合した物質の総称です。消防法上の第6類には、政令で定める液体のハロゲン間化合物が含まれます。試験対策では、反応性の順位を暗記するより、水との反応、常温付近での状態、酸化性、消火方法などの個別性状を区別します。
性状のポイント
- (1) ハロゲン間化合物には物質ごとに状態の違いがありますが、消防法上の第6類に政令で追加されるのは液体のハロゲン間化合物です(e-Gov「危険物の規制に関する政令」第1条)。
- (2) 第6類に該当する液体のハロゲン間化合物は酸化性液体として扱われ、可燃物等との混触を避けます(e-Gov「消防法」別表第一)。
- (3) 三フッ化臭素、五フッ化臭素、五フッ化ヨウ素などは、水分との反応で腐食性・有害性の高いフッ化水素を生じるため、水分との接触を避けます(総務省消防庁「水と反応して有毒ガスを発生する物質」)。
- (4) 五フッ化臭素は、厚生労働省SDSで窒素、酸素、希ガスを除くあらゆる既知の元素と反応するとされるなど、広い範囲の物質と反応します(厚生労働省「職場のあんぜんサイト」五弗化臭素SDS)。
種類別の性状比較
試験では、三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素について、個別の性状や水との反応を組み合わせて問われることがあります。
- (5) 三フッ化臭素・五フッ化臭素・五フッ化ヨウ素はいずれも水分との接触に注意が必要で、消防庁資料では三フッ化臭素および五フッ化ヨウ素について水との反応でフッ化水素を生じることが示され、五フッ化臭素も厚生労働省SDSで水・水蒸気と激しく反応してフッ化水素を生じるとされています(総務省消防庁資料、厚生労働省「五弗化臭素SDS」)。
- (6) 水と激しく反応するハロゲン間化合物では、注水によって危険な反応を起こさないよう、物質ごとの消火・漏えい時措置を確認します。五フッ化臭素では厚生労働省SDSが水・泡を不適切な消火剤とし、粉末消火剤・乾燥砂等を示しています(厚生労働省「五弗化臭素SDS」)。
- (7) 五フッ化臭素は、厚生労働省SDSで窒素、酸素、希ガスを除くあらゆる既知の元素と反応するとされる非常に反応性の高い物質です。「ハロゲン間化合物中で最も強い」という順位ではなく、この確認可能な性状を押さえます(厚生労働省「五弗化臭素SDS」)。
| 物質 | 化学式 | 区別しやすい性状 | 水との反応 |
|---|---|---|---|
| 三フッ化臭素 | BrF₃ | 常温付近で液体。沸点は約127℃ | 激しく反応し、フッ化水素等を生じる |
| 五フッ化臭素 | BrF₅ | 沸点は約41℃で、比較的気化しやすい | 激しく反応し、フッ化水素を生じる |
| 五フッ化ヨウ素 | IF₅ | 融点は約9.4℃で、低温では固化しうる | 激しく反応し、フッ化水素を生じる |
三物質を一列の「反応性ランキング」で覚えるより、BrF₃は常温付近の凝固・沸点、BrF₅は低い沸点と広範な反応性、IF₅は約9.4℃の融点と水反応性というように、確認できる個別性状で区別します。
覚え方・ひっかけ
- 「第6類だからすべて注水できる」とは考えず、ハロゲン間化合物の水反応性を個別に確認します。
- 五フッ化臭素の「最も反応性が高い」といった順位暗記は採用せず、厚生労働省SDSで確認できる広範な元素との反応性を押さえます。
- 五フッ化ヨウ素は融点が室温に近いため、温度によって液体・固体の扱いが変わりうる点も区別材料になります。
出典・参考
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する政令
- e-Gov法令検索 消防法
- 総務省消防庁 水と反応して有毒ガスを発生する物質に関する資料
- 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」五弗化臭素 SDS
- J-STAGE掲載「フッ素化学におけるハロゲンフッ化物」五フッ化ヨウ素等の性状