ハロゲン化物消火剤
ハロゲン化物消火剤は、フッ素・塩素・臭素などのハロゲンを含む化合物を放射し、燃焼の連鎖反応を抑制(負触媒効果)して消火します。少量で強い消火力をもち、汚損がなく電気絶縁性も高いのが特徴です。
消火の原理
- (1) ハロゲン化物の主な消火効果は、燃焼の連鎖反応を担うラジカルを捕捉して反応を止める抑制(負触媒)効果である。放射されたガスによる窒息効果も補助的に働く。総務省消防庁「危険物火災消火活動」
- (2) 少量で強い消火力を発揮し、残留物が残らず汚損がない。電気絶縁性が高く電気設備にも適応する。総務省消防庁「危険物火災消火活動」
主なハロゲン化物
規則第35条第2号は、移動タンク貯蔵所の自動車用消火器として次のものを挙げています。
| 消火剤 | 充てん量 |
|---|---|
| ブロモクロロジフルオロメタン(ハロン1211) | 2L以上 |
| ブロモトリフルオロメタン(ハロン1301) | 2L以上 |
| ジブロモテトラフルオロエタン(ハロン2402) | 1L以上 |
- (3) 危険物の規制に関する規則が挙げるハロゲン化物は、ブロモクロロジフルオロメタン(2L以上)、ブロモトリフルオロメタン(2L以上)、ジブロモテトラフルオロエタン(1L以上)である。e-Gov「危険物の規制に関する規則 第35条第2号」
使用の制限
- (4) ハロン類はオゾン層を破壊する物質であり、モントリオール議定書に基づき生産が全廃された。現在は既存のハロンを回収・再利用しながら、消火上不可欠な用途に限って使用する運用がとられている。総務省消防庁「危険物火災消火活動」
- (5) 熱分解によりフッ化水素・臭化水素などの有毒ガスを生じることがあるため、放射後は換気が必要である。密閉区画では人体への影響にも注意する。総務省消防庁「危険物火災消火活動」
使ってはいけない対象
- (6) 第5類(自己反応性物質)は分子内に酸素供給源をもち、窒息・抑制のいずれも効きにくいため適応しない。大量の水による冷却が原則である。e-Gov「危険物の規制に関する政令 別表第五」
- (7) 活性な金属(ナトリウム・カリウム・マグネシウム等)は高温でハロゲン化物と反応するおそれがあるため適応しない。乾燥砂等を用いる。e-Gov「危険物の規制に関する政令 別表第五」
法令上の位置づけ
- (8) ハロゲン化物消火設備は第3種の消火設備である。大型のハロゲン化物消火器は第4種、小型は第5種となる。e-Gov「危険物の規制に関する政令 別表第五」
- (9) 著しく消火が困難な屋内タンク貯蔵所や地中タンク・海上タンクに係る屋外タンク貯蔵所では、移動式以外のハロゲン化物消火設備が選択肢に挙げられている。e-Gov「危険物の規制に関する規則 第33条第2項」
試験での頻出ポイント
- 主効果は抑制(負触媒)。二酸化炭素(窒息)との違いが問われます。
- 汚損がなく電気絶縁性が高いので、電気設備・精密機器に適応します。
- 第5類と活性な金属には適応しません。
- ハロゲン化物消火設備は第3種です。
- オゾン層保護のため生産は全廃されており、既存分の回収・再利用で運用されています。
出典・参考
- 総務省消防庁 危険物火災消火活動
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する政令 別表第五
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する規則 第35条