異性体

最終更新日: 2026-07-26

異性体

異性体とは、分子式が同じで、構造や立体的な配置が異なる化合物どうしのことです。分子式が同じでも構造が違えば性質は大きく異なります。「同位体」(原子の話)と混同しないでください。

定義

  • (1) 異性体とは、分子式が同じで構造が異なる化合物どうしをいう。分子式が同じでも、沸点・引火点・水への溶けやすさなどの性質は異なることが多い。OpenStax「Hydrocarbons」

分類

分類内容
構造異性体原子のつながり方(結合の順序)が違うエタノールとジメチルエーテル
├ 連鎖異性体炭素骨格の枝分かれが違うブタンとイソブタン
├ 位置異性体官能基や二重結合の位置が違う1-プロパノールと2-プロパノール
官能基異性体官能基の種類が違うエタノール(アルコール)とジメチルエーテル(エーテル)
立体異性体つながり方は同じで空間配置が違うシス-2-ブテンとトランス-2-ブテン
├ シス・トランス異性体(幾何異性体)二重結合まわりの配置が違うマレイン酸とフマル酸
└ 鏡像異性体(光学異性体)互いに鏡像の関係にある乳酸のD体とL体
  • (2) 構造異性体は原子のつながり方が異なる異性体で、連鎖異性体・位置異性体・官能基異性体に分けられる。OpenStax「Hydrocarbons」
  • (3) 立体異性体はつながり方が同じで空間配置が異なる異性体で、シス・トランス異性体(幾何異性体)と鏡像異性体(光学異性体)がある。OpenStax「Hydrocarbons」

代表例:C₂H₆O の2つの異性体

エタノールジメチルエーテル
示性式C₂H₅OHCH₃OCH₃
分子式C₂H₆O(共通)C₂H₆O(共通)
官能基ヒドロキシ基 −OHエーテル結合 −O−
常温での状態液体気体
沸点78℃−24℃
水への溶解よく溶ける少し溶ける
消防法第4類アルコール類危険物には該当しない(高圧ガス)

危険物との関係

同位体同素体との違い

同位体同素体異性体
対象原子単体化合物
何が同じか原子番号元素分子式
何が違うか中性子の数結晶構造・結合様式構造・立体配置
¹²Cと¹⁴C酸素とオゾン、黄りん赤りんエタノールとジメチルエーテル

試験での頻出ポイント

  • 異性体は分子式が同じで構造が違う化合物同位体(原子)とは別物です。
  • エタノールとジメチルエーテル(ともに C₂H₆O)が最頻出の例です。性質が大きく異なる点まで問われます。
  • 「異性体は性質も同じ」は誤りです。
  • 同位体同素体・異性体」の3語を区別できるようにします。

出典・参考

異性体に関する問題