引火点

最終更新日: 2026-07-26

引火点

引火点とは、可燃性液体の表面に、点火源を近づけると引火するのに十分な濃度の蒸気を発生する最低の液温です。液体そのものが燃えるのではなく、液面上に発生した蒸気が空気と混ざって燃えます。

引火点は消防法上の危険物の分類(第4類の品名区分)を決める最重要の物性値で、試験でも最頻出です。

定義と意味

消防法上の区分との関係

第4類の品名は、原則として引火点で区分されます。

品名引火点による定義
特殊引火物発火点100℃以下のもの、または引火点−20℃以下で沸点40℃以下のもの
第1石油類引火点21℃未満
アルコール類(引火点ではなく、炭素数1〜3の飽和1価アルコールという組成で定義)
第2石油類引火点21℃以上70℃未満
第3石油類引火点70℃以上200℃未満
第4石油類引火点200℃以上250℃未満
動植物油類引火点250℃未満

主な危険物の引火点

物質引火点
ジエチルエーテル−45℃
ガソリン−40℃以下
二硫化炭素−30℃以下
アセトアルデヒド−38℃
アセトン−20℃
ベンゼン−11℃
トルエン4℃
メタノール11℃
エタノール13℃
灯油40℃以上
軽油45℃以上
重油60〜150℃

引火点・燃焼点発火点の関係

用語意味点火源
引火点引火するのに十分な濃度の蒸気を発生する最低の液温必要
燃焼点引火後、燃焼が継続するのに十分な蒸気を発生する最低の液温必要(着火後は不要)
発火点点火源なしに、加熱だけで自ら燃え出す最低温度不要

試験での頻出ポイント

  • 「引火点=液体が燃え始める温度」ではありません。燃えるのは蒸気です。
  • 引火点は「燃焼範囲下限値の濃度の蒸気を発生する温度」。上限値ではありません。
  • 引火点が低いほど危険。ガソリン(−40℃以下)は冬でも引火します。
  • 引火点と発火点大小関係が逆転する物質は原則としてありません(同一物質なら引火点<発火点)。ただし物質どうしを比べると、引火点が低い物質の発火点が必ずしも低いとは限りません(例:ガソリンは引火点−40℃以下・発火点約300℃、二硫化炭素は引火点−30℃以下・発火点90℃)。
  • 引火点は圧力や測定法によって値が変わるため、公表値には測定条件が付きます。

出典・参考

引火点に関する問題