有機化合物の分離

最終更新日: 2026-07-26

有機化合物の分離

混合物から目的の物質を取り出す操作を分離・精製といいます。有機化合物では、溶解性の違い沸点の違い、そして酸・塩基の性質の違いを利用します。

基本的な分離操作

操作原理
ろ過固体と液体を分ける沈殿の分離
蒸留沸点の違いを利用して液体を分ける海水から水を得る
分留(分別蒸留)沸点の差が小さい液体どうしを段階的に分ける原油からガソリン灯油軽油を得る
抽出溶媒への溶けやすさの違いを利用する水溶液からジエチルエーテルで有機物を取り出す
再結晶温度による溶解度の違いを利用する不純物を含む固体の精製
昇華法昇華する物質だけを気体にして分けるヨウ素・ナフタレンの精製
クロマトグラフィー吸着力の違いを利用する色素の分離

酸・塩基の性質を使った分離

有機化合物を、酸性・塩基性・中性の違いで分けることができます。塩になると水に溶けるようになり、有機層から水層へ移ります。

化合物性質反応する試薬生じる塩
カルボン酸(安息香酸など)強めの酸性炭酸水素ナトリウム水溶液(弱い塩基)でも塩になる水層へ移る
フェノール類弱い酸性水酸化ナトリウム水溶液(強い塩基)で塩になる水層へ移る
アミン類(アニリンなど)塩基性塩酸で塩になる水層へ移る
中性物質(ベンゼン、ニトロベンゼンなど)中性いずれとも反応しない有機層に残る

危険物との関係

試験での頻出ポイント

  • 操作名と原理の対応(蒸留=沸点、抽出=溶解性、再結晶=溶解度の温度変化、昇華法=昇華性)が問われます。
  • 原油の分留の順序(沸点の低い順にガソリン灯油軽油重油)は、第4類の品名の並びと対応します。
  • 酸・塩基による分離では「カルボン酸は炭酸水素ナトリウムでも塩になる」がフェノール類との決め手です。
  • 中性物質は有機層に残ります。
  • 蒸留・抽出は危険物の製造の技術上の基準の対象工程です。

出典・参考

有機化合物の分離に関する問題