高分子材料
高分子(ポリマー)とは、小さな分子(単量体・モノマー)が多数つながってできた分子量の大きい化合物です。プラスチック・合成繊維・ゴムなどが該当し、危険物施設では容器・配管・シート・保護具の材料として広く使われます。
高分子のつくり方
| 重合の型 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 付加重合 | 二重結合が開いて次々につながる。小分子は生じない | ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン |
| 縮合重合(重縮合) | 水などの小分子がとれてつながる | ナイロン66、ポリエチレンテレフタラート(PET) |
- (1) 付加重合は、単量体の二重結合が開いて次々に結合していく重合で、水などの小分子は生じない。ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリスチレンなどがこの方法でつくられる。OpenStax「Hydrocarbons」
- (2) 縮合重合は、単量体どうしから水などの小分子がとれて結合していく重合で、ナイロンやポリエステルがこの方法でつくられる。OpenStax「Amines and Amides」
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
| 種類 | 加熱したときの挙動 | 例 |
|---|---|---|
| 熱可塑性樹脂 | 加熱すると軟化し、冷やすと固まる。再成形できる | ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、PET |
| 熱硬化性樹脂 | 加熱すると硬化し、再加熱しても軟化しない。再成形できない | フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂 |
- (3) 熱可塑性樹脂は鎖状構造で、加熱すると軟化して再成形できる。熱硬化性樹脂は三次元の網目構造をつくるため、いったん硬化すると再加熱しても軟化しない。OpenStax「The Solid State of Matter」
燃焼の性質
- (4) 高分子材料の燃焼は分解燃焼である。加熱により熱分解して可燃性ガスを発生し、そのガスが燃える。消防試験研究センター「丙種公開問題」
- (5) 高分子材料の燃焼では有毒ガスが発生することがある。ポリ塩化ビニルからは塩化水素、窒素を含むポリウレタンやナイロンからはシアン化水素や一酸化炭素が発生しうる。総務省消防庁「危険物とは」
- (6) 熱可塑性樹脂は燃えながら融けて滴下し、火のついた溶融物が下方へ落ちて延焼を広げることがある。総務省消防庁「危険物とは」
危険物施設での扱い
- (7) 高分子材料は電気の絶縁体であり、危険物が流れると静電気が蓄積しやすい。給油ホースの先端に静電気を有効に除去する装置を設けるのは、この蓄積を防ぐためである。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第17条第1項第10号」
- (8) 危険物の運搬容器としてプラスチック容器を用いる場合、規則別表第3の2により第4類危険等級Ⅱでは最大容積10L(プラスチックドラムを除く)と定められている。灯油用のポリエチレン容器にガソリンを入れてはならない。e-Gov「危険物の規制に関する規則 別表第3の2」
- (9) 合成樹脂類そのものは消防法の危険物ではないが、指定可燃物として市町村条例で規制される。屋内貯蔵所等で危険物と合成樹脂類等を同時に貯蔵できる場合の要件が規則第38条の4に定められている。e-Gov「危険物の規制に関する規則 第38条の4」
- (10) 有機溶剤は高分子材料を膨潤・溶解させることがある。危険物に接する配管・パッキン・容器は、取り扱う危険物により容易に劣化するおそれのないものでなければならない。e-Gov「危険物の規制に関する政令 第9条第1項第21号ロ」
試験での頻出ポイント
- 熱可塑性=再成形できる/熱硬化性=再成形できない。代表例まで覚えます。
- 付加重合では小分子が生じず、縮合重合では水などが生じます。
- 高分子材料の燃焼は分解燃焼です。
- 高分子は絶縁体なので静電気が蓄積しやすく、危険物の取扱いでは除電が要ります。
- 合成樹脂類は消防法上の危険物ではなく、指定可燃物として扱われます。
出典・参考
- OpenStax Hydrocarbons
- OpenStax Amines and Amides
- 総務省消防庁 危険物とは