運搬の基準

最終更新日: 2026-07-26

運搬の基準

  • (1) 運搬とは、危険物を運搬容器に収納して車両等で運ぶ形態である。危険物の運搬は、その数量にかかわらず、政令で定める容器・積載方法・運搬方法の技術上の基準に従う。「指定数量未満だから運搬基準が適用されない」は誤りである。e-Gov「消防法 第16条」

移動タンク貯蔵所(タンクローリー)で運ぶ形態は運搬ではなく移送であり、別の基準が適用されます。

項目運搬移送
手段運搬容器+車両移動タンク貯蔵所
根拠消防法第16条、政令第28条〜第30条消防法第16条の2、政令第30条の2
数量による適用の有無数量にかかわらず適用移動タンク貯蔵所である以上常に適用
危険物取扱者の乗車不要必要(免状の携帯も必要)

運搬容器(政令第28条、規則第41条〜第43条の3)

積載方法(政令第29条)

内容
1危険物は運搬容器に総務省令で定めるところにより収納して積載する(塊状の硫黄等、同一敷地内の製造所等間の運搬などは除く)
2運搬容器の外部に品名・数量等を表示して積載する
3危険物が転落し、運搬容器が落下・転倒・破損しないように積載する
4運搬容器は収納口を上方に向けて積載する
5総務省令で定める危険物は、日光の直射や雨水の浸透を防ぐ被覆等の措置を講じて積載する
6総務省令で定めるところにより、類を異にする危険物等と混載しない
7運搬容器を積み重ねる場合は、総務省令で定める高さ(3m)以下とする

運搬容器の外部表示(規則第44条第1項)

表示する内容
1危険物の品名危険等級化学名第4類のうち水溶性の性状を有するものは「水溶性
2危険物の数量
3収納する危険物に応じた注意事項(下表)
危険物注意事項
第1類のうちアルカリ金属の過酸化物またはこれを含有するもの火気・衝撃注意、可燃物接触注意、禁水
第1類のその他のもの火気・衝撃注意、可燃物接触注意
第2類のうち鉄粉・金属粉・マグネシウムまたはこれらを含有するもの火気注意、禁水
第2類のうち引火性固体火気厳禁
第2類のその他のもの火気注意
第3類自然発火性物品空気接触厳禁、火気厳禁
第3類の禁水性物品禁水
第4類火気厳禁
第5類火気厳禁、衝撃注意
第6類可燃物接触注意

被覆等の措置(規則第45条)

措置対象
遮光性の被覆(日光の直射を避ける)第1類自然発火性物品、第4類のうち特殊引火物第5類第6類
防水性の被覆(雨水の浸透を防ぐ)第1類のうちアルカリ金属の過酸化物等、第2類のうち鉄粉・金属粉・マグネシウム等、禁水性物品
保冷コンテナ等による温度管理第5類のうち55℃以下の温度で分解するおそれのあるもの

混載の禁止(規則第46条・別表第4)

○が混載できる組合せ、×が混載を禁止される組合せです。

第1類第2類第3類第4類第5類第6類
第1類××××
第2類×××
第3類××××
第4類××
第5類×××
第6類××××

運搬方法(政令第30条)

内容
1危険物または運搬容器が著しい摩擦・動揺を起こさないように運搬する
2指定数量以上を車両で運搬する場合、車両に標識を掲げる
3指定数量以上を車両で運搬する場合、積替え・休憩・故障等で一時停止するときは安全な場所を選び、危険物の保安に注意する
4指定数量以上を車両で運搬する場合、その危険物に適応する消火設備を備える
5運搬中に危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれのある場合は、応急の措置を講ずるとともに、最寄りの消防機関その他の関係機関に通報する

試験での頻出ポイント

  • 運搬は数量にかかわらず基準が適用されます。指定数量以上になって初めて加わるのは「標識」「消火設備」「一時停止時の注意」の3つです。
  • 車両の「危」の標識0.3m平方・黒地・黄色反射・車両の前後移動タンク貯蔵所標識は0.3m平方以上0.4m平方以下で、運搬の標識0.3m平方ちょうどという違いに注意します。
  • 混載できる5組合せは「1と6」「2と4」「2と5」「3と4」「4と5」。指定数量の10分の1以下なら適用されない点も頻出です。
  • 収納率は「固体95%以下・液体98%以下・液体は55℃で漏れない空間」。
  • 遮光性の被覆と防水性の被覆の対象を入れ替えた選択肢が定番です。第4類で遮光が必要なのは特殊引火物だけです。
  • 運搬に危険物取扱者の乗車は不要、移送には必要。この対比が最頻出です。

出典・参考

運搬の基準に関する問題