溶液の濃度
溶液は、溶質(溶けているもの)が溶媒(溶かしているもの)に溶けたものです。危険物の試験では、質量パーセント濃度とモル濃度の計算、そして希釈の計算が問われます。
用語
- (1) 溶質を溶媒に溶かしたものが溶液で、溶液の質量=溶質の質量+溶媒の質量である。OpenStax「Molarity」
濃度の表し方
| 濃度 | 定義 | 単位 |
|---|---|---|
| 質量パーセント濃度 | 溶質の質量 ÷ 溶液の質量 × 100 | % |
| モル濃度(容量モル濃度) | 溶質の物質量 ÷ 溶液の体積 | mol/L |
| 質量モル濃度 | 溶質の物質量 ÷ 溶媒の質量 | mol/kg |
| 体積パーセント濃度 | 溶質の体積 ÷ 溶液の体積 × 100 | vol% |
- (2) 質量パーセント濃度は「溶質の質量 ÷ 溶液の質量 × 100」で求める。分母は溶媒の質量ではなく溶液全体の質量である。OpenStax「Other Units for Solution Concentrations」
- (3) モル濃度は「溶質の物質量(mol)÷ 溶液の体積(L)」で求め、単位は mol/L である。OpenStax「Molarity」
- (4) 質量モル濃度は「溶質の物質量(mol)÷ 溶媒の質量(kg)」で、単位は mol/kg である。モル濃度と分母が違う点に注意する。OpenStax「Other Units for Solution Concentrations」
- (5) 体積パーセント濃度(vol%)は溶質の体積を溶液の体積で割った百分率で、燃焼範囲の表示にも使われる。OpenStax「Other Units for Solution Concentrations」
計算例
質量パーセント濃度
水180gに食塩20gを溶かした溶液の質量パーセント濃度は、
20 ÷ (180 + 20) × 100 = 10% です。分母を180gにして11.1%とするのが典型的な誤りです。
モル濃度
水酸化ナトリウム(式量40)4.0gを水に溶かして500mLにした溶液のモル濃度は、
物質量=4.0 ÷ 40=0.10mol、体積=0.500L なので、0.10 ÷ 0.500=0.20mol/L です。
希釈
- (6) 溶液を薄めても溶質の量は変わらないので、希釈前後で「濃度×体積」が等しい。モル濃度なら c₁V₁ = c₂V₂ が成り立つ。OpenStax「Molarity」
たとえば2.0mol/Lの塩酸100mLを水で薄めて500mLにすると、2.0 × 100 = c₂ × 500 より c₂ = 0.40mol/L です。
溶解と危険物
- (7) 第4類危険物のうち水に溶ける(水溶性の)ものは、運搬容器の表示で「水溶性」と記載する必要がある。アルコール類・アセトン・酢酸・グリセリンなどが該当する。e-Gov「危険物の規制に関する規則 第44条第1項第1号」
- (8) 水溶性の危険物の火災には、一般の泡消火剤では泡が溶けて消えてしまうため、水溶性液体用泡消火剤(耐アルコール泡)を用いる。総務省消防庁「危険物施設の泡消火設備の基準」
- (9) 第4類の指定数量は水溶性かどうかで2倍違う。たとえば第1石油類は非水溶性200L・水溶性400L、第2石油類は非水溶性1,000L・水溶性2,000Lである。e-Gov「危険物の規制に関する政令 別表第三」
試験での頻出ポイント
- 質量パーセント濃度の分母は溶液(溶質+溶媒)です。溶媒だけで割るのが最も多い誤りです。
- モル濃度の分母は溶液の体積、質量モル濃度の分母は溶媒の質量です。
- 希釈では溶質の量が変わらないので、c₁V₁ = c₂V₂ を使います。
- 第4類の指定数量は水溶性で2倍になります。
出典・参考
- OpenStax Molarity
- OpenStax Other Units for Solution Concentrations
- e-Gov法令検索 危険物の規制に関する政令 別表第三