酸と塩基

最終更新日: 2026-07-26

酸と塩基

酸と塩基は、危険物の性質・消火の理解に欠かせない基礎です。定義・強弱・pH の3点を押さえます。

定義

定義塩基
アレニウスの定義水に溶けて水素イオン H⁺ を生じる物質水に溶けて水酸化物イオン OH⁻ を生じる物質
ブレンステッド・ローリーの定義H⁺ を与えるもの(プロトン供与体)H⁺ を受け取るもの(プロトン受容体)

価数と強弱

価数は1分子が出せる H⁺(または OH⁻)の数、強弱は水溶液中でどれだけ電離するか(電離度)です。価数と強弱は無関係です。

強酸・強塩基(電離度が大きい)弱酸・弱塩基(電離度が小さい)
塩酸 HCl(1価)、硝酸 HNO₃(1価)、硫酸 H₂SO₄(2価)酢酸 CH₃COOH(1価)、炭酸 H₂CO₃(2価)
塩基水酸化ナトリウム NaOH(1価)、水酸化カリウム KOH(1価)、水酸化カルシウム Ca(OH)₂(2価)アンモニア NH₃(1価)
  • (4) 価数は1分子が出せる H⁺・OH⁻ の数、強弱は電離度の大小であり、両者は無関係である。酢酸は1価の弱酸、硫酸は2価の強酸、水酸化カルシウムは2価の強塩基である。OpenStax「Brønsted-Lowry Acids and Bases」
  • (5) 電離度は「電離した分子数 ÷ 溶かした分子数」で0〜1の値をとる。強酸・強塩基は電離度がほぼ1、弱酸・弱塩基は1より十分小さい。弱酸・弱塩基の電離度は濃度が薄いほど大きくなる。OpenStax「Brønsted-Lowry Acids and Bases」

pH

  • (6) pH は水素イオン濃度 [H⁺] の常用対数の符号を変えた値で、pH = −log₁₀[H⁺] である。25℃の水では [H⁺][OH⁻] = 1.0×10⁻¹⁴ (mol/L)² であり、pH + pOH = 14 となる。OpenStax「pH and pOH」
  • (7) 25℃で pH = 7 が中性、pH < 7 が酸性、pH > 7 が塩基性である。pH が1小さくなると [H⁺] は10倍になる。OpenStax「pH and pOH」

例:0.01mol/L の塩酸(1価の強酸、電離度1)では [H⁺] = 1.0×10⁻² mol/L なので pH = 2 です。

危険物との関係

試験での頻出ポイント

  • 価数と強弱は別。「2価だから強酸」は誤りです(炭酸は2価の弱酸)。
  • 弱酸・弱塩基の電離度は、薄めるほど大きくなります。
  • pH が1違うと [H⁺] は10倍違います。
  • pH + pOH = 14(25℃)。
  • 第6類は強い酸化性をもち、可燃物との接触を避けます。硝酸の不動態も定番です。

出典・参考

酸と塩基に関する問題