危険物保安監督者
制度の考え方
(1) 危険物保安監督者は、危険物の取扱作業について保安を監督する者です。消防法は、政令で定める製造所等では危険物保安監督者を定めることを原則とし、一定の施設を政令第31条の2で除外しています。「指定数量の何倍以上なら一律に必要」という制度ではありません(消防法第13条、危険物の規制に関する政令第31条の2)。
選任が必要な製造所等
(2) 政令第31条の2は、危険物保安監督者を定める原則から除外される製造所等を列挙しています。施設区分ごとの整理は次のとおりで、「条件により不要」の行は同条の除外条件を満たす場合に限って選任不要です。e-Gov法令検索「危険物の規制に関する政令」第31条の2
| 製造所等 | 選任 | 選任しなくてもよい条件 |
|---|---|---|
| 製造所 | 常に必要 | なし |
| 屋内貯蔵所 | 条件により不要 | 指定数量の倍数が30以下で、引火点40℃以上の第4類だけを貯蔵・取扱い |
| 屋外タンク貯蔵所 | 常に必要 | なし |
| 屋内タンク貯蔵所 | 条件により不要 | 引火点40℃以上の第4類だけを貯蔵・取扱い。倍数条件はない |
| 地下タンク貯蔵所 | 条件により不要 | 指定数量の倍数が30以下で、引火点40℃以上の第4類だけを貯蔵・取扱い |
| 簡易タンク貯蔵所 | 条件により不要 | 引火点40℃以上の第4類だけを貯蔵・取扱い。倍数条件はない |
| 移動タンク貯蔵所 | 不要 | 数量・品名にかかわらず除外 |
| 屋外貯蔵所 | 条件により不要 | 指定数量の倍数が30以下 |
| 給油取扱所 | 常に必要 | なし |
| 販売取扱所(第1種・第2種) | 条件により不要 | 引火点40℃以上の第4類だけを取り扱う場合 |
| 移送取扱所 | 常に必要 | なし |
| 一般取扱所 | 条件により不要 | 30倍以下かつ引火点40℃以上の第4類だけを取り扱い、ボイラー等で消費するもの、または容器へ詰め替えるもの |
(3) 政令第31条の2の除外列挙に入っていないため、製造所、屋外タンク貯蔵所、給油取扱所、移送取扱所は数量や品名による免除がなく、危険物保安監督者の選任が必要です。名称の似た移動タンク貯蔵所は同条第3号で除外されています。e-Gov法令検索「危険物の規制に関する政令」第31条の2
(4) 「指定数量の倍数が30以下」は全施設共通の免除条件ではありません。屋内貯蔵所・地下タンク貯蔵所では引火点40℃以上の第4類だけという条件も必要で、屋外貯蔵所は30倍以下で除外されます。一般取扱所はさらに用途条件があります。e-Gov法令検索「危険物の規制に関する政令」第31条の2
選任できる者
(5) 消防法第13条第1項により、危険物保安監督者は甲種または乙種危険物取扱者で、6か月以上危険物取扱いの実務経験を有する者から選任します。乙種は、その免状で取り扱うことができる危険物の範囲について保安監督を行います。丙種は選任要件を満たしません。e-Gov法令検索「消防法」第13条
業務と届出
(6) 主な業務は、取扱作業が技術基準や予防規程に適合するよう作業者へ指示すること、災害時に作業者を指揮して応急措置を講じ関係機関へ連絡すること、危険物施設保安員へ必要な指示を行うことなどです(危険物の規制に関する規則第48条)。
(7) 危険物保安監督者を定めたときは、消防法第13条第2項により遅滞なく市町村長等へ届け出ます。解任したときも同様です。選任前に認可を受ける制度ではありません。e-Gov法令検索「消防法」第13条