保有空地

最終更新日: 2026-07-26

保有空地

保有空地とは、製造所等の周囲に確保する、物を置いてはならない空地(空きスペース)です。消火活動を行う空間を確保し、隣接する施設への延焼を防ぐために設けます。「施設の外にある保護対象物までの距離」を定める保安距離とは、目的も測り方も異なります。

空地の幅は、施設の種類・貯蔵し取り扱う危険物の指定数量の倍数・建築物の構造(耐火構造かどうか)によって変わります。

保有空地が必要な製造所等

危険物の規制に関する政令が保有空地の幅を定めているのは、次の6施設です。

施設空地を確保する対象根拠
製造所危険物を取り扱う建築物その他の工作物の周囲政令第9条第1項第2号
屋内貯蔵所貯蔵倉庫の周囲政令第10条第1項第2号
屋外タンク貯蔵所屋外貯蔵タンクの周囲政令第11条第1項第2号
屋外貯蔵所危険物を貯蔵・取り扱う場所を区画する柵等の周囲政令第16条第1項第4号
簡易タンク貯蔵所屋外に設置する場合簡易貯蔵タンクの周囲政令第14条第4号
一般取扱所製造所の例による政令第19条第1項

なお移送取扱所は、政令が定める上記の保有空地の対象ではありません。ただし配管を地上に設置する場合は、規則第28条の16第3号により配管の両側に空地を保有します(後述)。

施設ごとの空地の幅

製造所一般取扱所(政令第9条第1項第2号)

区分空地の幅
指定数量の倍数が10以下3m以上
指定数量の倍数が10を超える5m以上

屋内貯蔵所(政令第10条第1項第2号)

貯蔵倉庫の壁・柱・床が耐火構造かどうかで2列に分かれます。

指定数量の倍数壁・柱・床が耐火構造それ以外
5以下空地不要0.5m以上
5を超え10以下1m以上1.5m以上
10を超え20以下2m以上3m以上
20を超え50以下3m以上5m以上
50を超え200以下5m以上10m以上
200を超える10m以上15m以上

屋外タンク貯蔵所(政令第11条第1項第2号)

指定数量の倍数空地の幅
500以下3m以上
500を超え1,000以下5m以上
1,000を超え2,000以下9m以上
2,000を超え3,000以下12m以上
3,000を超え4,000以下15m以上
4,000を超えるタンクの水平断面の最大直径(横型は横の長さ)または高さの数値のうち大きいほうに等しい距離以上。ただし15m未満としてはならない

屋外貯蔵所(政令第16条第1項第4号)

指定数量の倍数空地の幅
10以下3m以上
10を超え20以下6m以上
20を超え50以下10m以上
50を超え200以下20m以上
200を超える30m以上

簡易タンク貯蔵所(政令第14条第4号)

設置形態必要な空地・間隔
屋外に設置する場合タンクの周囲に1m以上の幅の空地
専用室内に設置する場合タンクと専用室の壁との間に0.5m以上の間隔

移送取扱所配管の空地(規則第28条の16第3号)

配管地上に設置する場合、配管(移送基地の構内に設置されるものを除く)の両側に、最大常用圧力に応じた幅の空地を保有します。工業専用地域に設置する配管はその3分の1です。

配管に係る最大常用圧力空地の幅
0.3MPa未満5m以上
0.3MPa以上1MPa未満9m以上
1MPa以上15m以上

空地を減らせる場合

試験での頻出ポイント

  • 「保有空地が必要な施設はどれか」では、保安距離が不要でも保有空地は必要な簡易タンク貯蔵所(屋外)が正解肢になります。逆に地下タンク貯蔵所屋内タンク貯蔵所移動タンク貯蔵所給油取扱所販売取扱所は、どちらも不要です。
  • 製造所の「10以下=3m/10超=5m」と、屋外貯蔵所の「10以下=3m/10超20以下=6m」は数字が似ています。施設名とセットで覚えます。
  • 屋内貯蔵所だけが「耐火構造かどうか」で表が2列に分かれます。「耐火構造・倍数5以下なら空地不要」は頻出です。
  • 保有空地は「物を置かないこと」が本質で、消火活動と延焼防止のための空間です。「他の施設の建築物を建ててよい」「資材置場に使ってよい」とする選択肢は誤りです。

出典・参考

保有空地に関する問題